SAKURA-PC

桜PCの役立つパソコン情報

~パソコンの購入からトラブル解決や活用まで総合案内するPC講座~
PC情報ハードウェア
更新:2010/02/16

品質と相性

概要

パソコンのパーツは、性能が同じなのに価格が数倍も異なるものがあります。

それらは、正常に動作すれば性能は変わりませんが、正常に動作しない可能性に大きく影響しています。

相性とは、パーツの組み合わせのことです。パソコンは複数のパーツを組み合わせて動作しますが、特定の組み合わせで不良品ではない正常品でも不具合が発生することを「相性問題」と言います。

相性問題とは

相性問題の場合、不良品ではないので問題が生じてもお店で不良品扱いにはしてくれません。運良く、お店での動作確認でも同じ症状が確認できれば対応してくれることもあります。

相性問題では、同じ商品(同メーカーの同じ型番)に交換しても同じ問題が生じますので、別の商品に変える必要があります。

品質による不具合の種類

・壊れやすさの違い
・性能の安定さの違い
・安全性の違い
・エラーなど不具合の起こりやすさの違い

安いほど品質が低くなることが多いです。それは、
・部品数を少なくする
・検査に時間をかけない
・動作が不安定なので安く販売

が挙げられます。

メモリーと品質

メモリーでは動作する性能はCPUやマザーボードによって、ほぼ固定されます。しかし、性能が高いほど動作性能に余裕が生まれるため、不具合は起こりにくくなります。

メモリーはオーバークロック等での無理な動作や、接続や静電気などの取り扱い上の問題を除くと、故障することは滅多にありません。故障よりも組み合わせを変えたときの相性による不具合が圧倒的に多いパーツです。

メモリーでは大きく分けて、
・メーカーパッケージ品
・ブランドバルク品
・ノーブランドバルク品

に分かれます。

メーカーパッケージ品はとても高価ですが、信頼が高く安心です。メモリで不具合を起こしたくない方はこちらを選びましょう。

ブランドバルク品は信頼は低いものの、不具合を起こさないことも多く、価格が安いのでこちらが選ばれることが多いです。

ノーブランド品とても不具合が起こりやすいです。安さに騙されて後悔する人が後を絶ちません。もちろん、ノーブランド品でも正常に動作することもあります。ノーブランドでは、電気特性を安定させる部品数が反対面にはほとんど無く、見た目に分かるのが特徴です。

メモリで不具合が生じすると、パソコンの起動に失敗することや、青画面エラーが表示されます。遠くのメモリアドレスで不具合が生じている場合は普段は分からず、メモリをたくさん使用した場合に不具合が生じます。


2枚の異なるメモリの表側と裏側です。上がCFD販売のバルク簡易パッケージ品Hynex製、下がノーブランドのMr.STONEです。この場合、ノーブランドは裏側の部品点数が極端に少ないのが見て分かります。

ブランドバルク品の場合はチップメーカー名を表記して販売され、ノーブランドは「ノーブランド」と表記されて販売されていることが多く、メーカー不定で安く仕入れたメモリが販売されています。

組み合わせによる問題

CPUが要求する性能が、単体のメモリでは性能不足のため、2枚1組として動作させる必要がある場合があります。FSBが800MHzであれば、800MHz駆動のメモリ単体で良いのですが、FSB1333MHzではDDR2には単体で1333MHzで動作する性能が無いため、667MHzを2枚使って1333MHzとして動作させることになります。

この場合、2枚の電気特性が合わなくてタイミングがずれてしまうと、不具合が生じてしまいます。そのため、1枚の時よりも要求される品質が厳しくなります。この場合は、2枚1組セットで販売されるパッケージ(簡易パッケージ)品を選びましょう。

4枚接続する場合はもっと要求される品質が厳しくなるので、512MBを4枚で2GBにするなどはお薦めできません。できるだけ、1GBを2枚で接続しましょう。

マザーボードによる問題

メモリとCPUを繋ぐのがマザーボードです。メモリの品質と同じようにマザーボードの品質も重要です。マザーボードの品質が低いほど、メモリなど接続しているパーツの不具合も起こりやすくなります。また、チップセットの種類によっても特定のメモリと相性が発生することがあります。

電源による問題

電源が供給する電気が異常な場合、メモリを含めて様々なパーツで異常が生じることがあります。

重要な保証

パーツの組み合わせは無限にあるため、実際のところ試してみないと分からないのが現実です。

そこで活用したいのがオプションの保証です。

保証料金や内容は実地しているお店より異なります。同時購入したパーツ間での不具合の場合に無償保証となる場合や、設定された金額を支払って保証を一緒に注文する場合があります。

相性保証では、相性で不具合が生じる場合に別の商品と差額で交換することができます。

CPUと品質

CPUは品質によって動作できる性能が変わりますので、通常は品質を意識することはありません。

CPUについて
最新CPUの紹介
CPU Core i7/i5/i3について
Intel Core iシリーズの違い

オーバークロック

オーバークロックは、品質の高いCPUほど性能アップが期待できますが、CPUや周辺パーツが耐えられなければすぐに壊れることがあります。ドーピングをしてスポーツをするようなものです。

基本的に、品質が高いCPUほど性能が高いCPUとして販売されるため、オーバークロックに高望みしてはいけません。製造ラインの変更などにより希に高い品質のものが低い性能のCPUとして販売されることがあり、オーバークロックの楽しみとなっています。

オーバークロックは遊びであり、正常に動作しているように感じていても、エラーが起こりやすくなっています。無理して動作させるので不具合が生じるのが当たり前だと思いましょう。

オーバークロックはサポート対象外の行為であり、オーバークロックをした時点で保証は無くなります。故障を早める行為をするのですから保証が受けられなくなるのは当然です。

マザーボードなどオーバークロックを意識して作られた製品は、できるだけ無理な動作に耐えられるように品質がとても高く作られています。オーバークロックを行わない場合は一般の製品よりも安定性が高く寿命が長くなるなど大きな魅力があります。

電源と品質

メモリと共に意識して欲しいのが電源の品質です。

電源の性能は最大容量ワット数と電圧ごとのアンペア数で表記されています。

品質の影響が大きいものの、それをパッケージから判断する術はほとんどありません。

品質重視でよくアピールされるのが日本製コンデンサーの使用が挙げられます。

アルミ電解コンデンサーでは、温度が10度高いと寿命は半分になります。コンデンサーの質が良いというのはそれだけ長く使えることになります。

しかし、それだけでは他の部分が壊れたり、電圧が安定しているかは別問題です。

電源では安定した電圧を出力できなければなりません。電圧が不安定では様々なパーツで異常が生じてしまいます。

電源は重さで選ぶと良いと昔は言われていましたが、現在は重さでは判断できません。と言うのも、重さにはケーブルや電源の外枠も含まれてしまうからです。電源の中身の重さがどうなのかは判断できません。

電源の中味が重いというのは、それだけ贅沢に部品を使っていることになります。

高価な電源と安物電源では中味が大きく異なります。

高価な電源では、大容量コンデンサーや熱を逃がす大型のヒートシンク、それに異常が生じたらすぐに動作が停止できるような安全保護回路などを、ビッシリ引き詰めています。

安物電源では大きさに見合わないほど中味がない構造です。

安物電源で一番怖いのが保護回路を搭載していないことによる火災です。電源は多くの電気を扱う危険装置です。作りが悪い場合は故障時に発火する恐れもあります。

発火まで行かなくても、電圧異常による接続パーツの道連れ故障はよくあることです。PCパーツは多くの電力を効率よく扱うために繊細にできています。電圧が低いなら動作しないだけですが、高い場合は破壊されてしまいます。

電源には海外仕様の入力電圧115V-220Vがあります。日本の商用電源(家庭のコンセント)は100Vで、一般家庭では時間帯などにより90Vを下回ることもあります。入力の電圧不足による不具合が生じやすいので、最低電圧が90Vに対応しているものをお薦めします。
※115Vのところを150Wと誤って記載しておりました。お詫びして訂正いたします。

電源での不具合は、パソコンが勝手に再起動することや、ゲームやエンコードなど電力をたくさん使用する場合にエラーが増えるなどがあります。電圧不安定により、ビデオカードなどのパーツが正常に動作しないこともあります。

電源はパソコン本体のすべての電気を扱うためとても発熱します。

静音電源として、ファンなしで動作する電源もありますが、自身の発熱で故障しやすいのでお薦めできません。

下からCPUの熱を吸い上げるタイプのファンを搭載している電源も、電源の熱+CPUからの熱が加わり、電源の寿命が低下しますのでケース内空調にご注意ください。

マザーボード

影響があるのは、コンデンサー基盤の設計熱対策です。

マザーボードではASUSTeK、MSI、GIGABYTEの高級タイプが安心です。高級タイプは豊富な機能や拡張性がウリですが、熱対策や質の高いコンデンサーを採用しており安心です。

マザーボードで不具合が生じると、音が鳴らない画面がおかしくなる起動しないなど、他パーツにも影響して様々な問題が発生します。

ビデオカードも同じで、特にELSAが安心です。注意点として、ELSAであっても、マザーボードによっては相性問題が発生することがあります。

最悪、品質の高い組み合わせとなるMSIのPlatinum+ELSA GLALIACで相性が生じたことがあります。原因はマザーボードの不完全なチップセットでした。発売された新型チップセットを搭載した場合、チップセットの不具合が残っていることがあります。この場合、マザーボードのドライバやBIOSを最新に更新することで解決することがあります。

ビデオカードも、新しいタイプは不具合が残っていることが多いですので、最新のドライバに更新することで解決できることがあります。

ビデオカードにはオーバークロック仕様として発売されている製品があります。これは、選りすぐった高品質のコアを使うことで標準で同じクラスの製品よりも高い性能を実現しているものです。この場合、無理矢理のオーバークロックと違い問題ありません。

ビデオカード

ビデオカードで不具合が起きると、画面表示が変になります。


グラフィックカードですが、写真で一番上のアルミ電解コンデンサーが膨らんで液がにじみ出した痕があります。コンデンサーの品質が低いほど、このような故障が起こりやすくなります。液体のアルミ電解コンデンサーは温度が10度上がると寿命は半分に低下します。

現在は、マザーボードやビデオカードの高級機には、液体を使わない固体のアルミ電解コンデンサーが使われることが多くなりました。液体よりも熱に強くなり、寿命の大きな低下や液漏れがなく安心です。

電源が原因でビデオカードの動作に異常が生じることもあります。

RSS1.0

RSS2.0

Atom0.3

PC情報