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PC情報ハードウェア
更新:2008/07/08

マザーボードの選び方

概要

マザーボードとは様々なパーツを繋げ動作させるための基盤です。

ケース、電源、CPU、メモリ、ドライブ、拡張カードなどはマザーボードと接続されます。

マザーボードによって使用できるPCパーツが異なりますので、一番選ぶのが難しいPCパーツです。

マザーボードの仕様と影響するパーツ

主な仕様としては
・形状
・チップセット
・ソケット形状と使用できるCPU
・使用できるメモリと搭載量
・コネクタやスロットなどの種類と数

形状

形状はマザーボードの大きさや形です。通常はATXで、それより小さなMicro-ATXやATXとは大きく異なるBTXなどがあります。PCケースに合わせて選ぶ必要があります。

PCケースがATX形状ならば、ATXとMicro-ATXが使用できることが多いです。ケースがMicro-ATXの場合はマザーボードがATXでは大きすぎて取り付けできません。Micro-ATXはM-ATXと表記されることもあります。BTXとATXに両対応したケースもあります。メーカーPCの場合独自形状なこともあります。

Micro-ATXは物理的に小さいため、搭載できるコネクタやスロット数が少なくなります。

チップセット

チップセットはノースブリッジサウスブリッジで構成されており、ノースブリッジではCPUとメモリ周り、サウスブリッジではドライブなどの外部機器を制御します。

チップセットにより、使用できるCPU、メモリ、外部機器が制限されます。
Intel X48/X38/P45/P35/P33/G33+ICH10R/ICH10/ICH9R/ICH9/ICH8R/ICH8
nVIDIA nForce780/590/560 GeForce7050+nForce SLI MCP/MCP
AMD 790FX/690G+ATI SB600/nForce SLI MCP/MCP

Intel CPUにはIntelチップセットまたは、nVIDIAのチップセット、AMD CPUにはAMDチップセットまたは、nVIDIAチップセットが使われます。

ビデオカードにGeForceのSLIを使いたい場合は、nVIDIAチップセットのSLIが必要です。

Intel X38はFSB 1,333MHz対応、DDR3/DDR2メモリ対応、PCI-Express x16(2.0対応)となり、P35ではPCI-Express x16 対応、G31ではFSB 1,066MHzのDDR2でグラフィック機能をチップセットに内蔵されています。

DDR3かDDR2かはマザーボードの搭載するメモリスロットによって決まり、FSBはマザーボードによって公式よりも高く動作可能な場合があります。

上記はノウスブリッジと呼ばれるもので、USBやATAなどはサウスブリッジのICHで決まります。

ICH-RはAHCI対応でeSATAポートマルチプライヤーにも対応しています。RなしモデルでもマザーボードによってはAHCIに対応できることがあります。

チップセットが機能に対応していても、マザーボードがそれらのコネクタやスロットを搭載していないことがあるので、大まかにはチップセットで選び、マザーボードごとに製品詳細を確認する必要があります。

安定化機能

同じチップセット搭載でも、複数の製品ランクが存在します。

消費電力の大きなCPUの電力を安定させるVRMを多く搭載したり、チップセットの発熱を分散して冷却するためにヒートシンクヒートパイプで繋げたり、熱で大きく寿命が低下する液体コンデンサーの代わりに、熱での寿命低下が小さい固体コンデンサーを使用するなどがあります。

これらはマザーボードの信頼性に係わり、定格で使うなら夏を超えても壊れにくい長寿命、オーバークロックではより高い性能を発揮しやすくなるなどのメリットがあります。反面、価格は高くなります。

CPUソケット

ソケットの形状により、接続できるCPUの形状が異なります。
Intel LGA775 など
AMD AM3/AM2+/AM2/939 など

Intelは長い間LGA775ですが、2008年登場予定のNehalemではソケットが変わると言われています。

AMDのAM2+とAM2はほぼ同じCPUが接続できますが、外部バスとの繋がりが異なります。AM2+は外部バスがHT3.0対応ですが、AM2ではHT3.0対応のPhenomなどを使用してもHT1.0でしか動作できません。HyperTransportの違いはIntelの外部FSBの違いに相当します。(AMDの最新CPUでは、メモリコントローラをCUが搭載しているため、マザーボードのFSBとは連動しません)

ソケットが同じ種類であれば接続はできますが、対応していないCPUもありますので、CPUの種類も調べる必要があります。主に、新しい仕様のCPUはソケット形状が同じでも古いマザーボードでは使えないことが多いです。

AMDのAthlon64には同じ種類のCPUにソケット形状が異なる(AM2と939)CPUが発売されています。違うソケット形状では接続できませんので、購入時に間違えないように注意が必要です。

使用できるCPUはマザーボードのメーカーサイトで、対応CPU一覧をご確認ください。

新しいCPUでは、BIOSをアップデートしてからでないと使用できない場合があります。同じ製品でも製造時期により異なりますので、購入前に使いたいCPUがそのまま対応しているかどうか十分ご確認ください。使用可能な古いCPUがある場合、それを使ってBIOSをアップデートすることでも対応可能です。

メモリスロット

DDR3を4本、DDR2を4本、DDR3を2本+DDR2を2本があります。メモリスロット数はマザーボードにより異なります。ATXでは4本が標準ですが、MicroATXが2本になります。

DDR3とDDR2の両方のスロットを搭載している場合、実際に使用できるのは片方のみです。

実際に必要なメモリ性能は、CPUに関係します。CPUの要求するFSB(システムバス)が1066MHzならば、DDR2-533を2枚単位で接続します。この場合は、DDR2-800やDDR2-667を2枚でも構いません。CPUの要求がFSB800であれば、DDR2-800のメモリを1枚単位(シングルチャネル)で接続します。FSB 1,066以上は同じメモリを2本接続するデュアルチャネルが基本です。デュアルチャネルの場合、同じ色のスロットに接続します。P5K-Eの簡易マニュアルのように、説明書の記載が間違っていることがあるので注意。

現在のマザーボードではメモリは1:1ではなくもっと高い設定でも動作します。例えば、CPUの要求がFSB 800でも、メモリにDDR2-1,066を使用するとDDR2-800を使用するよりも若干性能が向上します。しかし、FSB 1,066にDDR2-1,066を使うよりも劣ります。

FSBは本来フロント・サイド・バスでもっと低い周波数を表すのですが、現在はメモリとCPU間の周波数を表すことが多くなっています。メモリよりも低い周波数で書かれていたら本来のFSBを意味していると思ってください。この周波数の違いは性能と同等です。周波数が高いほどやりとりが高速です。

マザーボードで使用できるCPUとメモリ、それに加えてCPUの組み合わせに合わせてメモリは選ぶ必要があります。

コネクタ

USB、IDE、SATAなどの接続コネクタはマザーボードによって数が異なります。

SATAのNCQなどの付加機能の動作は制御するコントローラによって異なります。Intelのチップセットでは、ICH7やICH8Rなどで表されています。古いコントローラではSATAはIDE互換モードとしてしか機能できず、NCQなどが機能しないこともあります。また、制御できるコネクタ数などにも影響しています。ICH9RはAHCIに対応していますが、ICH9では公式には対応していません。実際の動作はマザーボードにより異なります。

バススロット

バススロットはパソコンの性能や機能を拡張する拡張カードを接続するスロットです。

昔はビデオカード用にAGPバスで、それ以外はPCIバスでした。

現在はビデオカードにはPCI-Express x16を、それ以外にはPCI-Express x1やx4が使われています。しかし、まだビデオカード以外のPCI-Expressの製品は少ないため、互換性のためにPCIバスも搭載されていることが多いです。

PCIとPCI-Expressは全く異なる規格で、お互いの互換性はありません。

SLIやCrossFireでは、お互いのバスが離れており、その間に別のバスが搭載されていることが多いですが、ビデオカードを2枚接続した場合はそれが使用できないことがあります。また、発熱の大きなビデオカードでは1枚でも直下のバスが使用できなくなることがあります。

SLIはnVIDIAのGeForceの2枚に対応、CrossFireはAMD(ATI)のRadeonの2枚接続に対応しています。2枚接続の性能ではGeForceは大きな効果があり、Radeonは効率が悪くあまり性能が上昇しないようです。

BIOS

接続した機器を認識して正常に動作するための設定を行います。

BIOSが対応していないCPUは正しく認識できません。CPUごとに電圧などが異なるため、正しく認識できずに動作すると壊す恐れがあります。マザーボードによって、対応していない新しいCPUでも動作するものと動作しないものがあります。最新のCPUと同時に購入する場合、そのCPUに対応した最新のBIOSを搭載しているかご確認ください。使用可能な別のCPUがあれば、それを使ってBIOSをアップデートすると最新のCPUが使用可能になります。(使いたいCPUに対応した新しいBIOSが公開されていることが必要です)

マザーボードを取り替えたら、まずはBIOSでドライブの起動順番などの初期設定を行いましょう。CPUやメモリの設定は自動認識されます。オーバークロックメモリの場合は自動では低い性能が選択されてしまうことがあるので、その場合は正しい設定に変更します。

I/Oポート

ケース背面に飛び出す端子類です。USBやマウス、キーボード、音声入力や出力、シリアルやパラレルポートがあります。現在は多くの機器がUSBで接続されます。

PS/2のマウスやキーボードは古い規格のため、通電中に抜き差しをすると故障する可能性が高いですので気をつけてください。それで壊す人が多いようです。現在ではUSBに置き換わり、PS2ポートを持たないものもあります。

不要なポートはBIOSで無効(Disable)に設定することをお勧めします。ついでに保護キャップを取り付けるとホコリによる通電の心配もなくなります。

FSBについて

マザーボードに記載されているFSBとはメモリとの接続性能を表しています。

FSB 1600(OC)、1333、1066対応とある場合、FSB1333と1066のCPUに対応しています。使用できるメモリの性能は、デュアルチャネル(2枚単位)での接続で533MHz以上、シングル接続では1066MHz以上の性能を持つメモリが必要です。

FSB1333のCPUを使用する場合は、メモリは667MHzのデュアルまたはシングルではDDR3の1333MHzが必要になります。(DDR2-1333メモリは存在しない)

FSB1600(OC)はオーバークロックでFSB1600まで設定できることを意味しています。

チップセットについて

IntelP45チップセットは最新のビデオカード用のバススロット PCI-Express 2.0(PCI-E 2.0)に対応しました。

ICH10はHDD暗号化技術に対応しました。ICH10RはAHCIとRAIDに対応しています。

おすすめのIntel CPU用マザーボード 2008/07版

マザーボードと電源は品質の良いものを選びましょう。理由は、不具合が生じたときに解決が難しいからです。これらは頻繁に交換されるパーツではありません。

マザーボードを交換した場合はOSをクリーンインストールする必要があります。クリーンインストールを行わないと新しい機能が使用できないことや性能が発揮できません。予期せぬ不具合が生じる場合もあります。

GIGABYTE

GIGABYTE マザーボード

GA-EP45-DS4(P45+ICH10R)
 日本製の個体コンデンサー採用で、発熱による故障が低く設計されています。
 チップセットをヒートパイプで結び、ファンレス静音設計でも十分な冷却を実現しています。
 ATI Cross FireXとPCI Express2.0に対応しています。
 特殊なOCメモリのDDR2-1200MHzに対応しています。
 2重の DualBIOSを搭載しており、BIOSのアップデートに失敗しても自動で予備のBIOSから起動して修復できます。
 マザーボード上に、電源、リセット、CMOSクリアのボタンスイッチを搭載しています。

GA-EP45-DS3R(P45+ICH10R)
 GA-EP45-DS4のコストを抑えたモデルです。基本性能は同等です。
 ヒートパイプとPCIーExpress x4とボタンスイッチ類などが省かれています。

GA-EP35-DS4(P35+ICH9R)
  すべて個体コンデンサー採用とヒートパイプで結ばれた冷却能力の高いヒートシンク。
  3重のBIOS修復機能Dual BIOS Plus。安心の高品質設計です。
  VRMはTDPが低くなった最新のCPUに最適な6個を搭載。 ギガバイト独自の省エネ機能を搭載してます。
  IOパネルにはeSATAが無く、代わりにUSBが8ポート装備。eSATAが必要な場合は内蔵のSATAコネクタを使い付属のブラケットに接続します。
  オーバークロックによる、FSB1600MHzとメモリ1200MHzに対応。
  AMD-ATI RadeonのCrossFire対応。

GA-EP35-DS3R(P35+ICH9R)
  ヒートパイプとCrossFire廃止で低価格なモデル。
  個体コンデンサーと6つのVRMで安定した品質。
  3重のBIOS修復機能Dual BIOS Plusとオーバークロックによる、FSB1600MHzとメモリ1200MHzに対応など、DS4に近い機能を搭載。

MSI

MSIのマザーボード

P45 Platinum(P45+ICH10R)
 巨大なヒートパイプとヒートシンクでチップセットの冷却能力が高い。
 サーバー向けマザーボードで採用されているチップ「 DrMOS(ドクターモス) 」 を採用して高い安定性を実現。
 「 GreenPower Center 」 により、電源系統の監視がリアルタイムで可能。
 PCI-E 2.0による ATI CrossFireに対応。
 CPUだけでなく、電力が大きなメモリとノースブリッジにも2フェーズの電源回路を装備。
 安定性と低消費電力を重視した設計となっています。

ASUSTeK

ASUSTeKのマザーボード
P5K-E(P35+ICH9R)
  初心者に優しい作りと価格の安さが魅力。すべて個体コンデンサー採用で、8個のVRM搭載。IOパネルには6つのUSBと、2つのeSATAを装備。AMD-ATI RadeonのCrossFiore対応。ケースのコネクタが接続しやすい Q-Connectorが狭いケースでの取り付けにとっても便利。大型のビデオカードはSATAコネクタと干渉の恐れあり。LEDが点灯し、うっかり通電したまま操作するのを防ぎます。

P5K Pro(P35+ICH9R)
 省電力のEPU搭載。負荷に応じて電力を的確に自動調整することで低消費電力を実現します。
 大型のビデオカードも安心して接続可能。AMD-ATI RadeonのCrossFiore対応。
 ATX電源コネクタが変な位置にあるのでケーブルの取り回しに注意。
 こちらは、IOパネルにeSATAがありません。 USBは6ポート。ケースのコネクタが接続しやすい Q-Connectorが狭いケースでの取り付けにとっても便利。

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