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PCパーツの電子部品

概要

PCパーツの基板に使われいてるコンデンサーやトランジスタなどの説明です。

コンデンサーの品質はマザーボードや電源の故障に大きく影響します。

PCパーツに使われている電子部品について

コンデンサ

PCパーツの故障の原因で多いのがトランジスタコンデンサの故障(寿命)です。

コンデンサには電気を蓄えて放出する働きがあります。

PCパーツでは大きな電気を安定した状態で素早く使えるように大量のアルミ電解コンデンサが使われています。

現在では寿命低下が大きい場所では寿命が長い固体コンデンサを使うのが一般的になりました。

表面が平らなのが個体アルミニウム電解コンデンサ、上部に切りかけがあるのが液体を使用したアルミニウム電解コンデンサです。

同じ種類のマザーボードやグラフィックボードでも価格の高い高品質モデルではフルに固体コンデンサが使われ、低価格モデルでは安い液体コンデンサが使われる割合が多くなっています。

アルミニウム電解コンデンサは温度が10℃上がると寿命は半分に下がります。高熱を発するトランジスタの近くには寿命の長い固体コンデンサが使われているのが望ましいです。

マザーボードやグラフィックボードの端っこで液体のアルミニウム電解コンデンサが使われていることがありますが、特別寿命が短くなるわけではありません。膨らむと液体コンデンサだからだと思い込みやすいですが、表面上分かりにくくても固体コンデンサも同じように寿命を迎えている可能性が高いです。

アルミニウム電解コンデンサでは品質設計は耐熱温度と耐用時間の2種類が目安になります。

85℃のコンデンサよりも105℃や125℃のコンデンサの方が温度による劣化が小さくなります。

見落としがちなのが時間による寿命です。85℃で8000時間と105℃で2000時間の製品では温度が高くない場合は105℃で2000時間の製品の方が寿命が短くなってしまいます。

コンデンサの価格は製品価格に反映されます!本当に品質重視で部品が選ばれているのか、105℃コンデンサ採用!と謳い文句にしたいがために採用しているのかでは製品としての実際の寿命はかなり違ってきます。

電源では多くの容量を確保するために大容量で大型の液体コンデンサをメインに使用しています。品質の高いものを使っていれば液体でも問題ありません。大容量の固体コンデンサは価格が跳ね上がってしまいます。


※写真はPC電源 高品質が人気のSeasonic製 SS-760KM

日本製の105℃コンデンサ採用!と謳われているが安い製品の場合、1個だけ確かに日本製の105℃コンデンサが使われますが、それ以外は低寿命のコンデンサで安く作られており、見かけだけで無駄な105℃コンデンサの働きになっている可能性があります。

価格と品質のバランスが良いのは、温度が高くなる場所や大容量で大きな熱が発生する場所に耐熱重視、他は耐熱よりも時間寿命の長い部品を適切に使って作られている製品が良いものとなります。

液体のアルミニウム電解コンデンサは寿命になると膨らんでひび割れをして液漏れを起こしたり破裂するので分かりやすいですが、それ以外の電子部品は見た目ではほとんど分かりません。

コンデンサの品質はマザーボード、グラフィックボード、PC電源の寿命に大きく影響します。

特にPC電源の故障で安全回路が機能せずに故障時に異常な電力が流れた場合に、接続されているマザーボードやグラフィックボードのコンデンサを破裂させて白煙を出したり回路を焦がすことがあります。

トランジスタ

トランジスタは信号を増幅する役割やスイッチとして使われます。

信号を増幅させるトランジスタはスピーカーのアンプにも使われています。

スイッチのトランジスタはコンピューターでは集積回路として大活躍しています。電気が流れる流れないを1と0の2進数としてCPUが働いています。CPUでは小さなチップに億単位のトランジスタ数が内包されています。

一般的なトランジスタは集積回路ではなくバイポーラトランジスタを指します。

バイポーラトランジスタはコンデンサのように端子がでていますが2本ではなく3本になっています。NPN型と配置が逆になるPNP型があります。3本の端子で見た目が同じなので付け替えるときは注意が必要です。

バイポーラトランジスタは信号の増幅に使われますが、弱い信号をカットするスイッチとしても使われます。

トランジスタの働きは電子部品の入門キットで試すのが分かりやすいですね。

PCのマザーボードなどでは電流でスイッチされるバイポーラトランジスタよりも電圧でスイッチされるMOSFETが使われています。電圧が掛かっていても電流は流れていないためバイポーラトランジスタよりも省エネになっています。

CPU周りでは電圧を調整するVRMとしてMOSFETよりも大きな電力を扱えるパワーMOSFETが使われています。

動作クロックの高いCPU、GPU、メモリで定格の動作クロックでエラーが生じるようになった場合は、動作クロックを下げることでエラーが起きなくなり延命できる場合があります。

コイル

電力を磁力として蓄える働きがあります。電圧の操作や安定化に使われます。

PC電源では大きなコイルが剥き出しの状態で設置されていますが、マザーボードやグラフィックボードでは小さなコイルが黒い箱などでシールドされています。一部で上部に導線が見えるタイプが使われることもあります


コイルで多く問題になるのは故障よりもコイル鳴きというキーーーン音です。

コイル鳴きは高周波の音であるため、若い人ほど耳障りに目立って聞こえてしまいます。

磁力によって振動して音が発生してしまうのが原因であるため、導線が剥き出しのものはホットボンドで固めることで音が発生しなくなります。

ホットボンドは熱で溶かして冷めると固まる性質を持つ接着剤です。

分解したりボンドを使うなどすると製品の保証が受けられなくなってしまうので、初期不良や無償修理期間であれば交換や修理に出すのが得策です。製品の動作上の問題は無いためコイル鳴きは保証の適用外となる場合もあります。

コイル鳴きがとても気になる体質の場合はツクモの交換保証を付けてPCパーツを購入するのが安心です。製品の不良でなくても保証を受けることができます。

剥き出しのチョークコイルは電源や一部のグラフィックボードで使われていますが、マザーボードなど四角いケースで覆われているコイルでも導線を巻いているタイプであればコイル鳴きが発生する場合があります。

高価な製品では初めからコイル鳴きが発生しないように固められていることがあります。

VRM

ゲーミングマザーボードなどCPUをオーバークロックで安定動作させる仕組みを重視した高品質モデルではVRMのフェーズ数が謳われていることがあります。

VRMは単体の部品ではなく、MOSFETとコイルとコンデンサを組にして電力を安定供給する仕組みです。制御ICとPWMコントローラーでフェーズ数を切り替えるなどして動作しています。

電源からはCPU用に12Vが供給されていますが、CPUの動作電圧は現在は1.0V前後と低いです。低電圧の大電流で億単位のトランジスタを動作させています。

VRMは電流の変動が大きくても電圧を安定させる働きがあります。

VRMの数が多くなるほど部品点数が増えて価格が上がり消費電力も上がってしまいますが、VRMのフェース数が多いとオーバーロックによる定格以上の大電流でも電圧の変動を小さく抑えて安定させることができます。

VRMはCPUに流す大きな電力を扱い発熱が大きいため、水冷タイプでCPU周りに風が流れないCPUクーラー使っていると、VRMの発熱によるマザーボードの故障に注意が必要となります。

トップフローのCPUクーラーで熱を下に拡散させるタイプの場合も、CPUの発熱が大きい場合はCPU周りに熱風を吹き付けることになってVRM等の冷却ができません。PCケースのファンの空調でマザーボード表面のコンデンサーなどが冷却ができるように工夫することで寿命を長くすることができます。

VRMが劣化するとCPUへの電力供給が不安定になりCPUが故障していなくてもCPUが正常に動作できなくなります。CPUが原因に見えてもCPUの故障よりもマザーボードの故障の方が多いです。

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