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更新:2011/04/17

ノートPC 第2世代 Intel Core-i CPU

概要

第2世代のIntel Core i CPUはノートPCではデスクトップ以上に大きなメリットがあります。

電力設計が素晴らしく、動作していないときはとても少ない消費電力で、高性能なメモリコントローラーとグラフィックをCPUに統合したことで高性能と低消費電力を両立させることに成功しました。

性能と電力バランスでは、Celelonや初代Core i CPUを選ぶメリットはありません。

Sandy Bridgeについて

主な機能

Intel Turbo Boost Technology 2.0 (ターボブースト)
Turbo Boost (TB)機能はTDP(電力と発熱)に応じてCPUコアの性能が標準よりも高く動作することができます。第2世代のSandy Bridgeでは初代のNehalemよりも高い柔軟性となり動作効率が向上しています。Core i3ではこの機能は無効です。
ノートPCでは特に影響が大きく、標準では省電力が重視されて、必要なときは大幅にクロックアップして動作します。
Intel Hyper-Threading Technology (ハイパースレッディング)
Hyper-Threading (HT)では1つのコアで2つの処理(スレッド)が行える機能です。2つのコアで2つの処理を行うよりも性能が低いです。並列処理に適した処理かどうかで変わりますが、2コア4スレッドで3コア相当、4コア8スレッドで6コア相当の性能です。
Intel HD Graphics 3000 搭載
Sandy BridgeではGPUが完全にCPUに統合されました。GPUの性能はこれまでのチップセットに内蔵やClarkdale (クラークデール)に搭載のGPUよりも大幅に性能が向上しています。前世代の3倍の性能があり、ビジネス用途では内蔵グラフィックでも十分な性能になったと言えます。
映像機能はDirectX 10.1/OpenGL 3.0対応。
動画支援機能ではH.264/MPEG-2/VC1のデコード、H.264/MPEG-2のエンコード(Quick Sync Video機能に対応したソフトが必要)に対応。
映像の出力はHDMI 1.4に対応。
3000では3D処理を行うStreaming Processor(SP)が12基、2000では6基搭載。ノートPCではHD3000のみが採用されています。
Radeon HD5450程度の性能、GeForce GT430の半分以下の性能です。
Last Level Cache (3次キャッシュ)
各コア共通の3次キャッシュ(LLC)はCPU内蔵のGPUからもL2キャッシュとして活用できるようになりました。
Advancced Vector Extensions (AVX)
256bit幅のSIMD命令を実行できる新しい拡張機能です。AVXを使うことでSSE4よりも動画エンコードなどが高速に処理できるようになります。
この機能が有効なOSとアプリケーションを使うことで、動画処理のために消費電力の大きな外部グラフィックボードを搭載する必要がありません。
低い消費電力
CelelonやPentiumよりも大幅に性能が高く、ノートPC全体での消費電力は大幅に少なくなりました。性能を重視する場合も、バッテリー駆動を重視する場合でも第2世代 Core iシリーズが最適です。

初期チップセットの不具合について

ノートPCでも初期生産のIntel 6シリーズ チップセットがリコールとなりました。

これはIntel チップセットのSATA2の設計に不具合があります。SATA2のポートを使用しなければ影響がありません。

不具合をSATA3ポート(6Gbps)と誤って記載しておりました。正しくはデスクトップと同じくSATA2ポート(3Gbps)です。ご指摘ありがとうございます。お詫びして訂正いたします。

通常は不具合解決済みモデルや不具合の回避(SATA2を使わない)モデルなど明記されて販売されていますが、中古で購入する場合は注意が必要です。

ノートPCの第二世代Core iシリーズの仕様

基本仕様

  キャッシュ L1 キャッシュ L2 Intel HD Graphic
Core i7-2000 32KB 各コア 256KB 各コア HD3000
Core i5-2000
Core i3-2000

モデルナンバーごとの性能

性能や電力バランスを最大限生かしたモデル

  コア
スレッド
CPU
基本
クロック
CPU
最大
クロック
キャッシュ
L3
メモリー
種類
メモリー
速度
グラフィック
基本
クロック
グラフィック
最大
クロック
TDP
i7-2920XM 4 8 2.5 GHz 3.5 GHz 8 MB DDR3-1600 25.6 GB/s 650 MHz 1300 MHz 55 W
i7-2820QM 2.3 GHz 3.4 GHz DDR3-1600 25.6 GB/s 650 MHz 1300 MHz 45 W
i7-2720QM 2.2 GHz 3.3 GHz 6 MB DDR3-1600 25.6 GB/s 650 MHz 1300 MHz 45 W
i7-2635QM 2.0 GHz 2.9 GHz DDR3-1333 21.3 GB/s 650 MHz 1200 MHz 45 W
i7-2630QM 2.0 GHz 2.9 GHz DDR3-1333 21.3 GB/s 650 MHz 1100 MHz 45 W
i7-2657M 2 4 1.6 GHz 2.7 GHz 4 MB DDR3-1333 21.3 GB/s 350 MHz 1000 MHz 17 W
i7-2649M 2.3 GHz 3.2 GHz DDR3-1333 21.3 GB/s 500 MHz 1100 MHz 25 W
i7-2629M 2.1 GHz 3.0 GHz DDR3-1333 21.3 GB/s 500 MHz 1100 MHz 25 W
i7-2620M 2.7 GHz 3.4 GHz DDR3-1333 21.3 GB/s 650 MHz 1300 MHz 35 W
i7-2617M 1.5 GHz 2.6 GHz DDR3-1333 21.3 GB/s 350 MHz 950 MHz 17 W

価格を優先したモデル

  コア
スレッド
CPU
基本
クロック
CPU
最大
クロック
キャッシュ
L3
メモリー
種類
メモリー
速度
グラフィック
基本
クロック
グラフィック
最大
クロック
TDP
i5-2540M 2 4 2.6 GHz 3.3 GHz 3 MB DDR3-1333 21.3 GB/s 650 MHz 1300 MHz 35 W
i5-2520M 2.5 GHz 3.2 GHz DDR3-1333 21.3 GB/s 650 MHz 1300 MHz 35 W
i5-2410M 2.3 GHz 2.9 GHz DDR3-1333 21.3 GB/s 650 MHz 1200 MHz 35 W
i5-2537M 1.4 GHz 2.3 GHz DDR3-1333 21.3 GB/s 350 MHz 900 MHz 17 W
i3-2310M 2.1 GHz   DDR3-1333 21.3 GB/s 650 MHz 1100 MHz 35 W

メモリーの種類は性能が低いモデルを搭載することも可能ですが、CPUとメモリー間の性能が低下します。また、メモリー速度が最大21.3GB/sのCPUにDDR3-1600を搭載してもDDR3-1333の性能までしか発揮しません。

メモリーをシングルチャネル(1枚)での接続ではメモリー速度は半分になります。

TDPは熱設計電力です。単純な消費電力とは異なりますが、TDPが低いほど発熱と消費電力が少なく、バッテリーが長持ちします。同じTDP設計でも性能が低いモデルの消費電力は少なくなります。

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