SAKURA-PC

桜PCのWindows Vista講座

~ Windows Vistaの概要から操作・活用まで優しく案内 ~
PC情報WindowsWindows Vista
更新:2007/02/01

Windows Vistaってなに?

概要

Windows VistaはWindows XPの次の世代のOSです。

OSはオペレーティングシステムで、周辺機器やソフトウェアを動作させるのに必要な基本システムです。

あくまでも、基本のシステムでしかないため、Windows Vistaで大きく変わったと感じるようになるには、Vistaの機能を生かす製品が登場してからになります。Windows XPでできることをWindows Vistaで行っても魅力を感じることはほとんどないでしょう。

例えば、MediaCenter(メディアセンター)でテレビを視聴するにはMediaCenter対応のTVチューナーが必要です。

パソコンを安全に使うにはWindows Vistaが必要です。Windows XPのセキュリティーはあとから上乗せしたものでシステムはあまり保護されていません。

マルチコアCPUや大容量メモリなど新しいパソコンの性能を生かすにはWindows Vistaが必要です。Windows XPはWindows95系よりは効率よくなりましたが、Windows Vistaに比べるとまだまだ問題点が多いOSです。

Windows Vistaよりも、効率が良く安全で使いやすいOSが将来登場します。OSのバージョンアップは時代の変化に合わせて効率の良いシステムに変わってきているのです。今更、Windows 95の不安定なOSを使いたいと思うでしょうか?同じように、Windows Vistaの普及と対応製品の増加によって、Windows XPには戻りたくないと感じるときが来ることでしょう。

Windows Vistaの特徴的な機能

Windows Aero
  3Dインターフェース。ウインドーの描画などが3D処理に代わり、移動操作などをしても画面全体の再描画が必要なくなり、画面の書き換えが安定・高速化されます。ただし、この機能を使うには3D描画性能が必要で、性能不足の場合は無効になります。また、Windows Vista Home BesicにはAero機能自体が存在しません。

Windows ReadyBoost
  USBフラッシュメモリを読み取り用キャッシュとして活用します。メモリが足りないと直接ハードディスクとやりとりされるためとてもパソコンの動作が遅くなってしまいますが、USBメモリを代用することで極端に遅くなるのを防ぎます。読み取り専用のため、USBメモリは必要なときにいつでも取り外すことができます。ReadyBoostとして使うUSBメモリには予めReadyBoost用に容量を割り当てる必要があります。USBメモリはメインメモリよりも性能が低いですので単純なメモリ不足にはメインメモリを増設してください。メモリの増設ができない古いPCやノートPCで活躍する機能です。

Windows SuperFetch
  Windows XPよりも効率よくキャッシュが活用されます。

メイリオ
  日本語のClearTypeフォントで、漢字などが見やすくなります。

ユーザーアカウント制御 (UAC)
  管理者のアカウントも標準ユーザーとして動作します。管理者権限が必要な操作は、管理者のパスワードを入力することで管理者権限が与えられて実行できます。Windows XPよりも厳密に管理されます。

セキュリティー
  アンチウイルス(マルウェア)以外の、スパイウェア対策、フィッシング詐欺対策、ファイアーウォールなどの機能が標準で備わっています。ただし、これらは初心者が簡単に被害に遭ってしまう事を防ぐ基礎的な機能であるため、必ずWindows Live One Careまたはウイルスバスターなどサードパーティーのアンチウイルスソフトの導入が別途必要です。

保護者による制限
  ユーザーアカウントの利用できる時間の制限や、Webの閲覧やプログラムの実行を把握することができる、保護者のための機能です。Ultimateを除くビジネス用パッケージにはこの機能がありません

バックアップ機能
  差分バックアップが可能になり、過去のバックアップから復元する機能も追加され、XPより高速に使いやすくなります。いつでも元の状態にしっかり戻したいときには、サードパーティーのバックアップソフトを使った方が良いでしょう。また、Windows Vistaで強化されたバックアップである「シャドウコピー」はHome BaicとHome Premiumには存在しません

バックグランド動作
  優先度が低くなり、裏でウイルススキャンなどが実行されていても、アクティブのプログラム動作に与える影響が小さく抑えられます。

BitLocker
  システムドライブを丸ごと暗号化します。パソコンが盗まれても鍵となるUSBメモリー等がなければデータが他人に見えません。この機能はEnterpriseまたはUltimateのみに含まれています。また、BitLocar対応PC(BitLockerからTPM1.2が使用できるPC)でなければ機能しません。

過去のOS変化

MS-DOSは単独の処理のみが可能。解像度が低く画像は荒い。1つの処理しか行えないのでとても安定している。マウスではなくキーボードでコマンドを入力することで処理を実行する。

Windows 3.1はマウス操作が主体となる。基本的に複数の処理を同時に行うことはできない。

Windows 95は初心者でも使いやすい操作に変わり爆発的にPCが普及するきっかけとなる。システムリソースの扱いが軟弱で、再起動でメモリ内容などをリセットしないと不具合が生じる。

Windows NTは企業でも使える信頼の高いシステムを実現。業務向のOS。

Windows 98/98SE/MEは95から少しずつ改良して不具合を起こりにくく、更に使いやすくなる。しかし、基本のシステムが95と共通なので問題は多い。

Windows XPは95の操作性とNTの安定性を兼ね備える。安心して使えるOSとなったがウイルスや不正コピーやデータ流出などの脅威に弱い。

Windows Vistaはセキュリティー面を強化しパソコンを安心して使うためのOSとなる。著作権保護も強化されて、放送やコンテンツのデジタル時代に向けたOSでもある。

時代に合ったOSとパソコンを

時代に合わせて変化するハードウェア構成を効率よく扱えるようにも変化しています。例えば、Windows XPが登場したときにはSATAもマルチコアCPUもありませんでした。新しいハードウェアを効率よく扱うためのシステムではないのです。

また、デジタル放送を扱うための仕組みもなく、強力なセキュリティー(不正コピー防止)の必要がないワンセグでは小手先でどうにか使えるようににしているのが現実で、録画した番組の視聴には録画したときと同じワンセグチューナとパソコンが必要で、番組の移動やコピーは不可能という利用者にとっては迷惑な方法です。

こういったことは、Windows Vistaでも同じで、将来の変化に応じてOSは変わっていく必要があります。現在は名前もまだない機能が、将来は必要になるかもしれないのです。

高い性能のPCを買わせるためのOSではなく、過去のOSの時代ではまだPCの性能が低くて実現できなかった機能を持ったOSです。Windows Vistaに搭載されたデジタルコンテンツの著作権保護機能はまだまだPCの性能不足で使いこなせないともいわれています。Windows XPでも性能の低い古いPCではウイルス保護すらも重くて使えないと言われています。そういったパソコンはウイルス対策が必須の現在の時代ではパソコンとして使えないと言わざるを得ません。

Windows Vistaでは3DのAeroデザインにより、無駄に3D性能が必要になったと感じる人がいるようですが、2Dではできなかったことを実現するために3Dになったのです。Aero機能では見た目が美しくなっただけでなく、ウインドーのサムネイル表示が可能になり、目的のウインドーを選択しやすくなりました。また、3Dになったことで、見えた目にはわからないシステムレベルでも動作が大きく変わっています。見た目にわからない変化をわかるようにしたのがAeroとも考えられるようです。

効率の善し悪しは別ですが、2DでAeroと同じ見た目を表示することは可能で、XPと同じ見た目を3Dで表示することも可能です。実際、見た目のWindows VistaベーシックデザインとAeroデザインは半透明や光沢などの特殊表示程度しか違いがありません。一度に表示させるウインドーの少ない時代は2Dで良かったのが、現在は3Dの方が効率が良くなってしまうのでしょう。

ビデオカードの負担は増えてしまいますが、3Dゲームに比べたら大したことはありません。昔は、2Dでさえも、高解像度のフルカラー表示するために高価なビデオカードが必須だったのです。それと同じ事で、3DがOSで必要となることで将来Aero程度の処理ならビデオカードが必要のない時代が再び訪れることになります。AMDでは3D描画機能を統合したマルチコアCPUを計画しています。

休憩ポイント

あとで続きを読む場合に便利です。

Windows Vistaが必要となる理由がお解り頂けましたでしょうか?ゆっくりとお茶タイムしましょう。

私はMS-DOS 5.0Aから使ってきましたがOSが変わると対応しない周辺機器の買い換えなどに結構痛い出費です。しかし、今更、Windows95などは使いたくもありません。一日に何度再起動したことか・・。XPはその点大きな不満がないのでVistaに変える理由が見つからない人も多いかと思います。焦らないで必要を感じたらVistaに移行しましょう。

今はパソコン本体は高性能で価格はずいぶん安くなりました。昔50万したパソコンは今では数万どころか、性能不足で使えないパソコンとなってしまいます。パソコンは時代に合わせて買い換えが必要です。あまり高くないPCを購入して、OSと一緒に買い換えていくのが無難でしょう。XPのように5年以上も同じOSでは途中で買い換える必要も出てきてしまいますが・・。自作やショップブランドPCなら、マザーボードから交換できるので、無駄なく時代変化に合わせて変えていけます。

WindowsXPとの違い

Windows Vistaは次世代のOSであり、Windows XP当初は重視されていなかった権限やセキュリティーが強力になっています。

Windows XPのセキュリティーはServicePack2(SP2)であとから乗せられたものです。そのため、システムの保護が十分ではなく、セキュリティーソフトの包囲網を潜ってきた脅威に対しては無防備です。Windows Vistaでは強力にシステムが保護されるように作られており、セキュリティーの網は高度に張り巡らされています。

仕事で特定のアプリケーションしか使用しない場合を除き、Windows XPでは管理者アカウントを常用する必要があります。そのため、部外者に対してかなり無防備な状態になっています。Windows Vistaではユーザーアカウント制御により、インストールしたときのAdoministratorアカウントでもあっても、通常は標準ユーザーとしての動作になり、管理者アカウントが必要な操作の時には、管理者アカウントのパスワードの入力で、必要なときに一時的に昇格して操作を行い標準ユーザーに戻ります。Windows XPではアカウントを変えてログオンしなければなりませんでしたが、Windows Vistaではインストール作業や特定のアプリケーションを使うためにアカウントをわざわざ変更する必要がありません

Windows XPで動作している多くのアプリケーションや周辺機器は互換性により動作しますが、OSが大きく異なるので使えないこともあります。これは、Windows98/MeからXPに移行したときと似ています。

Windows Vistaでは要求される性能が高いため、同じことをするのならWindows XPよりも動作が重くなります。その代わり、新しい製品ではWindows XPではできなかったことができるようになります。

Windows Vistaの動作条件

Windows Vistaが動作する最低限の条件はWindows Vista Capable PC として定義されています。Windows Vista Home Basicが動作する性能です。

・最新のプロセッサ (800MHz 以上)。
・512 MB のシステム メモリ。
・DirectX 9 対応のグラフィック プロセッサ。

これは、最低限動作するというだけであり、この性能でWindows XPから乗り換えると性能不足で不満を感じることでしょう。インターネットやテレビパソコンとして使用する程度ならこの性能で使えます。

3D表示に変わった新画面Windows Aeroを利用してWindows Vistaをそこそこ使うためには、Windows Vista Premium Ready PCとして定義されています。Windows Vista Home PremiumBusinessが動作する性能です。

・1GHz 32 ビット (x86) または 64 ビット (x64) のプロセッサ。
・1GB のシステム メモリ。
・Windows Display Driver Model (WDDM) ドライバ、128 MB グラフィック メモリ (最小)、ハードウェアによるピクセル シェーダ 2.0、1 ピクセルあたり 32 ビットの色深度。
・40 GB のハード ディスク容量と 15 GB の空き容量。
・DVD-ROM ドライブ。
・オーディオ出力機能。
・インターネット アクセス機能。

マイクロソフトWindows Vista Capable PC および Premium Ready PC

Windows Vistaを快適に使用するには

・CPUにIntel Core2 Duo/Core2 Quad/Core2 Extream/AMD Athlon64 X2/Turion64 X2/Athlon64 FX
2GBのシステムメモリー
・Geforce 6600/7600/7900/8800 または RADEON X1600 以上のビデオカード
・ワイドディスプレイ
(太字はおすすめとなる性能パーツ)

Winodws Vistaを快適に使いたいとなると、Windows XPの2倍のメモリ搭載量と、Direct X9対応のビデオカード(VRAM128MB以上)が必要です。

Windows XPで512MBのメモリ搭載量では最新のセキュリティーソフトを使うとメモリ不足で動作が重すぎる!と不満を感じることになりますが、Windows Vistaでは1GBでメモリが一杯になり動作が重い!と不満を感じることになります。ただし、32bitでは管理できるメモリ量は最大4GBまでです。

Windows XPでは3D CGや3Dゲーム、動画の再生などをしないのなら、ビデオカードは不要で、チップセットに内蔵された描画機能で問題ありません。しかし、Windows VistaのWindows Aeroで通常の表示が3D化されているため3Dの描画性能も重要となります。必要な性能が満たないPCではWindows Aeroは無効となってしまいます。Aeroが無効になってもWindows Vistaとしては動作できます。3DゲームやBD(ブルーレイ)やHD DVDを高解像度で視聴する場合、ディスプレイの解像度に合わせて高い性能が必要になります。最新のビデオカードには動画再生支援機能もあり、CPUの負担が抑えられます。

CPUはVista自身は1GHz以上となっていますが、Windows Vistaで何をするのかによってもっと高い性能が必要になります。クロック周波数ではなく最新の種類のCPUを選んでおけば間違いないでしょう。

Windows XPからアップデートする場合、最低でもWindows XP SP2が標準搭載される以降のPCでおすすめします。それ以前のPCではメモリを搭載できる最大量が少なかったりでWindows XPよりも使いやすくなるどころか、性能不足で不満を感じることが多いかと思います。もちろん、メモリ増設やパーツ交換などで性能を満たせるのであれば問題ないでしょう。

Windows XPの環境をVistaにアップデートするのではなく、新しいハードディスクをVistaの起動用ドライブとし、新規インストールすることをおすすめします。元の環境そのままにOSを変更するのは不具合が起こりやすいためです。

Windows Vistaへの移行時期

Windows Vistaの発売日2007年01月30日に発売されました。

しかし、OSだけではパソコンとしては使えません。必ずやりたいことができるソフトウェアや周辺機器が動作しなければなりません。ですが、Windows Vistaに最適化されて登場するのはVista発売後半年以上過ぎてからになります。

まずは、XP対応の製品をVistaにも対応させて登場する(多くの製品はWindows XP用のままでも動作可能)。次にVistaの特徴を生かした製品が登場となります。

計画がなく、話題性重視でWindows XPから乗り換えると失敗します。Windows Vistaは次世代のOSだということを念頭に置いて計画を立ててください。

今すぐにWindows XPからVistaに変える必要はありません。PCを新調するならVistaに合わせて選びましょう。Windows Vistaに変える必要があるときは、現在使用しているPCやXPに不満や限界を感じたときです。XPの安全性に不安があるのなら、Vistaに変える意味は大きいと言えます。新しく使いやすくなったVistaを使いたいというのもVistaにする意味があります。

しかし、XPに不満がないのなら、Vistaにするだけで必要なメモリ量の増加などにより、使用しているPCの性能が下がったことと同じ意味になってしまいます。
メモリで考えた場合:XPでメモリ1GBは十分な性能→Vistaでメモリ1GBは余裕のない性能

Windows XPのソフトウェアや周辺機器の一部に、Windows Vistaでは正常に動作しないものがあります。最新の製品ならアップデートで対応されることが多いですが、アップデートの提供が春になってしまうこともあるので、お使いの製品がWindows Vistaに対応しているか、その製品のメーカーサイトでご確認ください

資金があるなら、Windows XPはそのままにし、新しくWindows Vistaの起動ドライブを作成し、差し替えて使い分けることをおすすめします。パソコンを2台にして使い分けるという方法もあります。

Windows XPのサポート

Windows XP Home EditionのサポートはVista発売後2年間で終了します

サポート期間はWindows XP Home EditionMediaCenter EditionもProfessionalと同じ2014年に正式に延期が決まりました。 Service Pack 1(SP1)以前のWindows XPのサポートは既に終了しています。

これは、Windowsのアップデート(セキュリティーの更新パッチなど)が延長されたというもので、Windows VistaはWindows XPよりも安全で効率よくパソコンが使えることに変わりありません。Windows Vistaにアップグレードできないパソコンも2014年まで今と変わらない安全性でお使いいただけます。サポート期間終了後は、セキュリティーの更新などが終了となるため、安全にWindows XPをお使いいただくことができなくなります。

マイクロソフトWindows XP Home Edition のサポート期間の延長

RSS1.0

RSS2.0

Atom0.3