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更新:2011/09/14

SSD Intel 510 Series 120GBの性能

概要

SSDSC2MH120A2』は、2.5型で120GB(実質112GB)の容量のSSDです。
Trimコマンドに対応したMarvell製のコントローラが搭載されています。

Intel「510 Series」は搭載する容量によって書き込み性能が異なります。
250GB:6Gbps接続 Read 500MB/s Write 315MB/s | 3Gbps接続 Read 265MB/s Write 240MB/s
120GB:6Gbps接続 Read 450MB/s Write 210MB/s | 3Gbps接続 Read 265MB/s Write 200MB/s

Intel 510 Seriesでは34nmのMLCが採用されています。
製品3年間保証。

34nmのNAND Flash Memoryの書き換え寿命は一般的に5000回程度ですが、ウェアレベリングや書き込みの偏り等でも減少します。

書き換え寿命に関わらず、HDD同様に定期的なデータのバックアップをおすすめします。書き換え寿命とは無関係に故障する可能性はHDDよりも低いですが、日本の季節の変化や高音多湿も製品寿命を低下させる要因です。

SSDでは小さな容量のチップを複数搭載することで大容量にしていますが、RAID 0のように並列に繋げることで処理を分散させて速度が高まります。そのため、チップ数が少なくなるほど性能が低くなるSSDが多いです。

3GbpsのSATAは最大300MB/sの理論値ですが、実際の使用では280MB/s以下になります。

320 Seriesとの違い

Intel 320 Series は3Gbpsでの接続に最適な設計になっています。

ラインナップが豊富で、40GB/80GB/120GB/160GB/300GB/600GBが選べます。

読み込み速度は40GB~600GBまで最大270MB/s。書き込みは最大45MB/s(40GB)~220MB/s(600GB)。

510 Seriesの120GBモデル:3Gbps接続 Read 265MB/s Write 200MB/s 参考価格 2.0万円程度
320 Seriesの120GBモデル: 3Gbps接続 Read 270MB/s Write 130MB/s 参考価格 1.8万円程度

基本性能は320 Seriesが高くNCQの効果も大きいですが、書き込み性能は510Seriesよりも大幅に遅いです。少し前まで5千円もの価格差がありましたので、510 Seriesにお買い得感が出てきました。

※参考価格は 2011年9月現在のものです。

性能測定環境


Intel 510 Seriesには、3.5インチ変換マウンタと取り付けネジや変換ケーブルが付属。8cmCDは専用ツールですが、CDからではなくネットで最新版をダウンロードしてインストールすることをおすすめします。

Intel SSDの管理ツール

Intel Solid-State Drive Toolbox

Intel SSDのツールボックスを使用すると、Intel SSDの最適化や状態の確認と完全消去が行えます。対応していないディスクではS.M.A.R.T.や基本的な情報の表示のみが可能です。

ASUSTeKのU3S6に接続した場合、認識したドライブを選択できない問題が発生しました。


Intel SSD Optimizerは記録されているデータを消さずに最適な状態に調整してくれます。Trim機能による自動調整を待つよりも早くて確実。

System Configuration TunerはWindowsのシステム設定をSSDに最適な状態に変更します。Windows7をSSDに新規インストールする場合は、インストール時に最適な状態になりますが、それ以外の場合は自分で変更する必要があり、ツールを使うことで簡単に変更することができます。

Secure Eraseは記録されているデータを完全消去します。ディスク上のすべてのデータを消去するために、予めパーティション(1つのボリュームの場合でも)を削除する必要があります。

IntelのSSDでは書き込んだデータ量がS.M.A.R.T.情報で確認することができます。

SSDの寿命について本当のことが知りたい方に、外部サイトのBotchy Worldがおすすめ。
故障するまで使い込むという生の情報が公開されています。
信頼の高い新しいSSDでは、ギリギリの容量での使用でなければ寿命を気にする必要は無さそうです。
Botchy World

Intel 510 Series 120GBの性能

Intel ICH9Rはインテルチップセット標準のSATA 3Gbps。

ASUSteK U3S6はPCI-Express x4接続のUSB3.0+SATA 6Gbps対応の拡張カード。

Windows7 エクスペリエンス インデックス

そのPCでの全体的な指標です。同じパーツを使用しても、別のパーツの影響によりスコアが変わります。そのため、絶対的な性能の指標にはなりません。

スコア差が大きい場合、性能が生かし切れないボトルネックがどこになるのかを判断する目安になります。それぞれのスコアが近いほど性能のバランスがよい。

U3S6 (SATA3) に接続

Intel ICH9R (SATA2) に接続

3Gbps接続では上限が低くなるためかスコアが0.2低下しました。HDDでは5.9であり、SSDはWindowsを使う上で、快適な動作に大きく貢献しているのが分かります。

BootRacer

Windowsの起動時間を測定します。Time to Desktop(デスクトップが起動するまでの時間)の時間で比較します。

ビジネスライセンス版はVer1.0の初期バージョンのみのようで、測定結果がFree版と大きく異なりました。ここではFree版のVer3.1を用いています。

U3S6 (SATA3) に接続

拡張カード接続の場合は標準チップセットへの接続よりも長くなります。

Intel ICH9R (SATA2) に接続

HDDでは40秒を超えていたので、起動時間が半分に短縮!起動だけでなく終了も早いです。

再起動をすることが多い使い方では、この早さは助かります。

CrystalDiskMark3.0の性能

CrystaDiskMark

U3S6 (SATA3) に接続


4KQD32AHCINCQ機能を使ったランダム読み書きの性能です。NCQでは細かいアクセスを効率の良い(連続読み書きに近い)順番に並び替えてから処理を行います。複数のファイルでもなるべく連続した読み書きでの動作になることで性能がシーケンシャル(連続)に近くなります。NCQが機能しない環境では通常の4Kと同じになります。NCQはSATAがIDE互換モードでは機能しませんので設定に注意。

SSDではHDDのようなディスクの回転やヘッドの動き等が無いため、小さなファイルの大量のアクセスがとても早いのが特徴です。

すべての性能がHDDを大きく超えています。

小さな大量のファイルの読み込み(4k)性能とNCQの効果がCrucial C300シリーズよりも低くなっています。

Crystal Disk Mark 3.0ではNCQの他に、ALL 0fillでの測定に対応しています。0Fillは0データで埋める書き込みで、記録されたデータの消去を意味します。一部のSSDでは性能の評価に0Fillが用いられていますが、実際のデータとは構造が大きく異なり性能の差が大きいですのでご注意ください。

Intel 510 Seriesではランダムデータも0Fillも性能差はありませんでした。

Intel ICH9R (SATA2) に接続

ICH9Rへの接続ではSATA2(3Gbps)の理論値300MB/s制限により性能が頭打ちとなっています。メーカー公称値が265MB/sなのでIntelは正しい性能を公表しているのが分かります。

U3S6接続よりも小さなファイルの大量の書き込みが高速。

Crucial C300では280MB/sに近かったので、Intel 510 SeriesのSATA2接続では読み込み性能がC300に劣ってしまいます。

HD Tune Pro 4.6

HD Tune

U3S6 (SATA3) に接続

ファイル構造を無視したディスクの連続した読み込みなのでファイルの読み込みよりも性能が低く出ています。

SSDはHDDと異なり、記録位置による性能差がなく、アクセス速度も均一です。
(HDDでは後ろの容量になるほど性能が低くなる右下がりのグラフになり、アクセス速度はバラツキが大きい)

IOPSは1秒間の応答回数で、数値が大きいほど応答が早い。
access timeは目的のデータ位置まで移動する時間で、数値が小さいほど早い。
speedは1秒間に読み込めるデータ量で、数値が大きいほど速い。

この前に書き込みベンチマークを実行しているので、ディスク全体への書き込みではその影響が出てしまいます。SSDはHDDと異なり内部の書き込み処理が複雑です。
(HDDの書き込みは磁気を強制的に変えていくので読み込みとほとんど変わらない)

SSDでは同じブロックに書き込みが集中しないように状況に応じて内部で記録位置を判断するので、読み込みよりも大幅に遅くなります。MLCでは書き込む前に消去が必要なので消去されていないブロックに書き込むときは更に遅くなります。

Trim機能に対応していれば、不要なブロックのデータは自動的に消去されるので書き込みが遅くなりにくい。

Intel ICH9R (SATA2) に接続

SSD本来の性能よりも低くなるので、データ位置による違いが吸収されてラインが綺麗。

縦軸のスケールが異なりますが、U3S6接続とほぼ同じ。

CristalDiskMarkのファイル書き込みでも表れていましたが、小さなデータ書き込みの応答がIntel標準チップセット接続の方がとても早い。

ATTO Disk Benchmark

ATTO Disk Benchmark | TechPowerUp

ATTO Disk Benchmarkでは常に0Fillデータが使われています。

U3S6 (SATA3) に接続

Intel ICH9R (SATA2) に接続

SATA2の上限に引っかからない書き込みはU3S6接続よりも高速!

PCMARK7

Futurmark PCMARK7 | 4Gamer.net PCMark7

Windows7で実際に使うことを想定したベンチマークです。単純なファイルの読み書きやディスクへのアクセスとは異なった性能の違いが表れやすいです。

総合スコア以外は想定した動作でのデータの転送速度(MB/s)です。

  U3S6 ICH9R HDD
Strage Score
HDD/SSD の総合スコア
5037 4938 2259
Windows Defender
ウイルススキャンの動作
5.45 5.43 2.20
importing pictures
画像の取り込み
24.49 23.97 8.92
video editing
動画編集
22.54 22.17 19.72
Windows Meidia Center
メディアセンターでのテレビ番組録画
8.03 8.05 7.66
adding music
音楽の取り込み
1.39 1.40 1.29
starting applications
アプリケーションの起動
49.75 45.47 4.03
gaming
ゲーム
16.16 15.98 6.40

PCmark7はVantageよりも実用に近くなっています。

Vantageでは画像の取り込みが200MB/sも出ていますが、実際の画像の取り込みはカメラやメモリカードやインターネット回線など低速なデバイスからになるので取り込み側のディスクの性能だけでは意味がなくなっています。PCMark7ではUSBメモリからの転送を想定した処理に調整されています。また、音楽の取り込みでは曲情報の管理まで含まれています。

PCMARK VANTAGE

Futurmark PCMARK VANTAGE | 4Gamer.net PCMrkVantage

Windows Vistaで実際に使うことを想定したベンチマークです。SSDが登場する前のベンチマークなので、高性能なSSDの実際の性能比較に最適とは言い難い。

総合スコア以外は想定した動作でのデータの転送速度(MB/s)です。

  U3S6 ICH9R HDD
HDD Test Suite
HDD/SSD の総合スコア
34056 32065 6418
Windows Defender
ウイルススキャンの動作
164.63 139.96 30.68
gaming
ゲーム
156.67 136.89 18.63
importing pictures to Windows Photo Gallery
フォトギャラリーでの画像の取り込み
202.18 166.69 63.02
Windows Vista Startup
Windows Vistaの起動
162.46 147.63 22.9
video eiditing using Windows Movie Maker
ムービーメーカーでの動画編集
155.54 158.08 66.11
Windows Media Center
メディアセンターでの動画
202.33 201.11 132.59
adding music to Windows Media Player
メディアプレーヤーでの音楽
117.22 117.07 13.86
application loading
アプリケーションの起動
128.49 141.34 6.38

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