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PC情報ハードウェア組み立て
更新:2008/12/01

マザーボードの取り付け

ケースを箱から取り出す

重いケースは箱の下側を開けて、箱を上に引き上げましょう。上から本体を引き上げようとすると、箱ごと持ち上がってしまい、無理をすると腰を痛める恐れがあります。

  

ケースの左側板を取り外しましょう。

Antec P182では裏側の手ねじを2つ外し、側板を少し後ろにずらして真横に引き寄せることで外れます。

ケースによっては上カバーも外す必要があるもの、真横ではなく斜め上に取り出すもの、横に倒すバタフライ式など様々です。無理に引っ張ると固定する爪が折れてしまうことがあるので、簡単に外れる方法を探しましょう。



多くのケースは、穴や溝にツメを引っかけて閉じ、後部をねじ止めされています。

ケースとマザーボードを仮置きする

ケースの側面板を取り外し、ケースのマザーボードスペースにマザーボードを仮置きします。

ケースのねじ穴と、マザーボードの穴が合うことを確認し、合うねじ穴に六角スペーサーを取り付けます。

六角スペーサーは、金色の背のあるねじ穴の開いたねじです。マザーボードをケースから少し浮かせた状態で、六角スペーサーにマザーボードを固定します。ここではまだ、ケースに六角スペーサーを取り付けるだけです。

 
 

完全に取り付けると、ケース→六角スペーサー→マザーボード→ねじ、という順番になります。ケースとマザーボードのねじ止めには特に指示がない限り、絶縁ワッシャーは不要です。

マザーボードにCPUを取り付ける

ケ-スに固定してしまうと手が入るスペースが限られてしまい作業がしにくいので、固定する前に、CPUとCPUクーラー、そしてメモリも取り付けてしまいましょう。

作業に当たり、様々な端子を触ってしまうので、手袋をはめます。できれば静電気防止手袋が良いのですが、無い場合は100円ショップのゴム手袋でも構いません。軍手は糸を挟む恐れがあるので使わないでください。

まず、CPUソケットを探し、レバーを持ち上げます。

CPUの切りかけやマークとソケットのマークを合わせて、CPUをソケットに乗せます。すべてのピンが穴にスポッと軽く入ることを確認します。向きが合わないとスポッと入りません。手で押し込んではいけません。ピンが曲がらないように細心の注意をお願いします。CPUが少し浮いた状態ですがそれで正常です。

ピンがすべて合っていることを確認したらレバーを下げます。レバーを下げることでCPUも下がり密着します。レバーを上げると簡単に外すことができます。(何度も繰り返すと壊しやすいので注意)

Intel LGA775(Core2やPentium4など)では、ピンがソケット側に付いており、とても弱くて壊しやすいのでご注意ください。ソケットカバーは無くさないように箱に入れて保管してください。CPUを乗せるときも溝を合わせて慎重に平らに置いてください。



上記はLGA775にCore2 Quadを取り付けた場合。

 
こちらはSocket AにAthlon XPを取り付けた場合。

写真のCPUはコアがむき出しのタイプです。コアの上にヒートシンク(カバー)が付いているものは外さないでください。ビニールやピン側に付いているカバーは外してください。

ピンが曲がってしまった時は

ピンが折れていなければ直せることがあります。

CPUにピンが付いている場合は、ソケットとCPUの向きを合わせて、ピンを穴に合わせてみましょう。ピンと穴が合うところは飛び出さないように軽く抑えながら、合わないピンを穴に誘導するように優しくCPUを揺らしながら穴に誘導させていきます。

すべてのピンが穴に合ったら、ソケットのレバーを軽く下げていきます。このときに、CPUが平らに下がっていくことを確認してください。下がらない場合はレバーを上に戻してピンを穴に合わせ直します。

一部のピンが大きく曲がっている場合は、折らないように気をつけて、ピンセットなどで軽くまっすぐにしてから穴に合わせす。すべてのピンが同じように曲がってしまった場合は、ピンと穴を合わせながらCPUを揺らしてまっすぐに直します。

すべてのピンが穴にまっすぐ入ったら、レバーを完全に下げて完成です。一度レバーを上げてピンを確認してみましょう。折れていなければ問題なく動作します。

LGA775のようにソケットにピンが付いている場合は、薄い板でピンを平らに立て直します。とても弱く折れやすいので直すのが難しいです。

CPUクーラーを取り付ける

CPUクーラーはCPUの熱を冷ますものです。CPUはミクロ単位の細い配線に大量の電気を流すことで発熱が生じます。熱を逃がさなければ、自身の発熱で焼けて壊れてしまうのです。

オーバークロックをしない限り、純正のCPUクーラーで構いません。夏場部屋の室温が高くなる場合は、冷却能力の高いCPUクーラーを使うことをお奨めします。CPUクーラーにより騒音も変わります。

まずは、グリスを塗らないでCPUクーラーを乗せてみましょう。どのように取り付けて固定するかマニュアルでご確認ください。ソケットやCPUクーラーの種類により取り付け方が異なります。

取り付け方を確認したら、CPUにグリスを乗せます。グリスは必ずCPU用の熱伝導グリスをご使用ください。グリスではなく、熱伝導シートでも構いません。

グリスの場合は米粒程度を乗せて、CPUクーラーのヒートシンクで押し広げます。グリスは極端に多すぎなければ、少し多めでも構いません。少ないと熱がうまく伝わないので気をつけましょう。

 

上記はSocket Aの場合。ゲル状のグリスをCPUの上に少し乗せ、CPUクーラーを固定することでグリスが広がります。


こちらは、LGA775とCore2 Quadに付属の純正クーラー。
CPUクーラーに熱伝導シート(グリス)が付いているため、そのまま取り付けます。
ピンの溝が中央を向くようにし(矢印の反対方向に回す)、CPUの上に乗せてピンを穴に押しつけます。
4カ所のピンが突き抜けて外側に広がり、抜けなくなれば完成です。
取り外す場合は、溝にマイナスドライバーを差し込み矢印の方向に回すことで簡単に外すことができます。



LGA775にZALMANのCNPS-9700NTを取り付けました。
大きなクーラーを支えるために、付属のバックプレートを裏側に置き、クーラーを乗せる台と一緒にねじ止めします。クーラーを乗せる台はCPUソケットのレバーと干渉しないように切り込みを合わせます。プレートを外さなくてもCPU交換ができます。
付属のグリスは液体状になっておりハケで塗ります。中央部に多く塗るのがこつです。1度目(上記の写真)は薄すぎて純正クーラーよりも高い発熱になってしまいましたが、中央を多めに塗り直すととても低い発熱になりました。
グリスはCPUの下に垂れないように外側は空けておきます。グリスがCPUの下に垂れるとショートして壊す恐れがあるので塗りすぎにも注意してください。グリスはCPUを密着させると自然に外側に広がります。

異なる種類のグリスを塗るときや、乾燥したグリスを拭き取って塗り直す場合、AS-CLN 2ステップグリスクリーナーがあると便利。

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CPUの熱をCPUクーラーのヒートシンクに移動させて、CPUクーラーのファンで冷たい外気をあてて熱を外に逃がします。水冷の場合は、空気ではなく液体に熱を伝えて逃がします。水冷の場合も、液体の熱を冷ますためにファンが使われることが多いので騒音はあまり変わりません。

CPUの熱を伝えるヒートシンクは、アルミよりも銅の方が熱が伝わりやすく、ヒートパイプが使われているとより熱が移動しやすくなります。CPUクーラーを選ぶ際の参考にしてください。ヒートパイプは向きが上下ではなく左右に向くように取り付けましょう。ヒートパイプは冷却液が使われており、上下では重力の影響で下にたまりやすくなってしまいます。

CPUのコアがむき出しのCPUの場合、力加減を間違えるとCPUが壊れる恐れがありますので細心の注意をお願いします。

CPUクーラーを固定するときには角に力が集中しないように気をつけます。平らに力が加わるように少しずつまんべんなく固定します。

固定したら、CPUファンのコネクタをマザーボードのCPU FANコネクタに接続しましょう。これを忘れると、CPUクーラーのファンが動作せず、発熱でCPUが壊れてしまいます。ファンにも寿命があるので、異音や回転数の低下や動作が停止したらすぐに取り替える必要があります。ただし、マザーボードの機能により、温度によりCPUファンの回転数が自動制御されている場合は、回転数が小さくても問題ありません。

メモリを取り付ける

メモリはCPUのFSBにより、シングルとデュアルがあります。シングルは1枚ずつ、デュアルは2枚ずつ接続する必要があります。最新のLGA1366のCore i7ではメモリ3枚接続のトリプルチャネルとなっており、FSBではなくQPIに変わっています。

FSB1333MHzのCPUを使用する場合、メモリはDDR2-667MHzのデュアルチャネルまたは、DDR3-1333MHzのシングル接続となります。QPIの場合はメモリコントローラがCPUに搭載されていますので、CPUが要求するメモリを使用します。(LGA1366のCore i7ではDDR3-1066MHzのトリプルチャネルとなります)


写真の形状はメモリの種類により異なります。DDR/DDR2/DDR3など異なる種類のメモリは差し込めないようになっています。また、ノートPCではこれよりも形状が小さなタイプが使用されています。

メモリはメモリスロットのレバー(A)を左右とも外に広げ、切りかけを合わせて片方ずつ奥にしっかりと差し込みます。メモリを奥まで差し込むとレバーが自然と閉じます。最後に真ん中を押し込み、再び左右を押し込み、レバーが完全に閉じたことを確認します。

切りかけ(B)の向きが合わないと差し込めない仕組みになっていますので、レバー(A)が閉じない場合は左右の向きが反対ですので向きを変えて差し込んでください。場合によっては、レバーが途中までしか動かず、指でカチッと閉じる必要があります。差し込みがあまいとレバーが閉じれませんので、奥までしっかりとさしこんでください。

メモリスロットの堅さはマザーボードにより異なり、片方ずつ押し込むと片方が緩くて飛び出してしまうことや、反対に堅すぎて指が痛くなることもあります。状況に応じてうまく差し込みましょう。




マザーボードを取り付ける

マザーボードを固定する板が引き出しタイプで取り外せる場合、取り外した状態で固定しましょう。

そうでない場合は、狭いですが我慢して取り付けましょう。ケースの作りが悪いと手を切ることもあるので気をつけてください。

ケース背後の上部に取り外し可能な薄い板がありますので、それをマザーボードに付属しているものに取り替えましょう。何も付いていない四角い穴の場合は、そのまま取り付けましょう。この穴はマザーボードの外部コネクタが飛び出します。

 

ケースの六角スペーサーに合うねじを用意して、マザーボードの穴を合わせて乗せます。ケースによっては六角スペーサー以外を取り付ける必要がある場合がありますので、マニュアルでご確認ください。

ケース左上の板の隙間から、マザーボードの外部コネクタがケースの外に出るように押し出します。

六角スペーサーはマザーボードの裏側の出っ張りがケースに触らないように浮かします。六角スペーサーとマザーボードの間には何も入れないでください。

通常はねじもワッシャーを間に入れずにそのまま締め付けます。

ねじの取り付けは、完全に締め付けずに緩い状態で、左上、右下、真ん中、左下、右上という風に均等にねじを入れていきます。ねじ穴が少しずれている場合は、すべてのねじが入るようにずらします。

ねじにはインチとミリねじがあり、大きさは指でスルスル入るのを選んでください。

すべてのねじが入ったら、均等に締め付けていきます。

ケースコードの接続

ケースの電源やリセットスイッチ、LEDランプなどの配線を接続します。

 
マザーボードのマニュアルで接続ピンの位置と、コネクタとの対応をご確認ください。

プラス・マイナスの指示があるコネクタは向きを合わせてください。線が赤や緑などカラー色がプラス、白や黒はマイナスになります。

ケースによってはとても狭くて接続が難しいですが頑張ってください。滑らないピンセットがほぼ必須です。

PowerLEDはケースにより、3ピンと2ピンがあります。どちらかを接続すれば構いません。

Speakerはケースにより存在していないことがあります。その場合、別途購入して接続します。このスピーカーは、エラーなどを音で判断するためのものです。 無くてもパソコンの動作には影響しません。

ケースのUSBコネクタなども接続しましょう。古いマザーボードやケースではUSBコネクタのピン配置が異なることがあります。接続すると故障の原因となるので同じ配列であることを確認して取り付けてください。

拡張カードの取り付け

構成が初めての組み立ての場合、動作確認に必要な最低限の拡張カード(ビデオカード)だけを接続しましょう。他の拡張カードはOSをインストールして設定を終えてから接続します。構成が同じで、ケースの引っ越しの場合は全部接続してしまって構いません。

左の写真はAGP、右の写真はPCI-Express x16です。右は2スロットありますが、下はCrossFireやSLIでの2枚差し用になります。

ビデオカードは一番上のスロットに差し込みます。ケース背面のカバーを取り外し、そこにブラケットを差し込んでから、スロットに差し込んでいきます。ビデオカード用には固定するためのレバーなどが使われていますので、差し込める状態にしてから奥に差し込んでください。

ビデオカードの接続トラブルとしては、接触不良(奥まで差し込まれていない)や電源の接続忘れが多いですので、よく確認してください。電源コネクタが2つある場合は、2つとも接続が必要です。AGPやハイエンドクラスでビデオカードに直接電源コネクタの接続が必要なことがあります。

取り外すときは、レバーにより固定されているのでレバーやピンを押すか引っ張るかしながらカードを抜きます。レバーの構造はマザーボードにより異なります。

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