SAKURA-PC

桜PCの役立つパソコン情報

~パソコンの購入からトラブル解決や活用まで総合案内するPC講座~
PC情報ハードウェアビデオカード
更新:2008/03/08

グラフィックボードについて

概要

グラフィックボードとはディスプレイモニターに映し出す映像を作り出します。ビデオカード、グラボ、グラフィックカードは同じ意味です。

GPUは映像処理を行う根幹で、グラフィックボードは映像用のメモリと冷却装置とモニターへの出力端子を搭載します。内蔵GPUはチップセットやCPUの中に搭載され、ビデオメモリはシステムメモリーの一部を割り当て、出力端子はマザーボードの背面パネルに搭載されます。

描画機能を基本のチップセットに搭載して拡張カードを持たないものもあります。 グラフィックカード・グラフィックボード・ビデオカード・ビデオボード・ウインドウアクセラレータは同じ意味です。グラフィックカードの3D描画機能を3Dアクセラレータと呼ぶこともあります。

2Dでは文字や線や面で映像を作り出し、主に用意された画像を表示します。3Dでは縦・横・高・奥行きなどの位置情報を元に計算して映像を作り出します。その為、3Dでは2Dよりも高度な処理が要求され、ゲームなどリアルタイムに描画するには高性能なビデオカードが必要になります。

3D描画性能が必要でない場合はあまり気にする必要はありません。2D機能は既に成熟しきっているのでチップセットに内蔵されている描画性能でも十分です。最新のビデオカードは動画のエンコード・デコード支援機能があるので、2Dメインでも取り換えるメリットは少しあります。

グラフィックカードなどの拡張カードはノートPCでは使うことができません。3Dゲームが遊べるノートPCにはノートPC用のMobiliti RADEONやGeForce Goが搭載されています。ノートPCの購入時にそういったものを選ぶ必要があります。

ノートPCではデスクトップ以上に熱に厳しいため、長時間プレイすると高熱により不安定になりやすいので注意してください。できるだけ、ノートPCクーラーを使うのが望ましいです。

接続スロットについて

現在のグラフィックボードはPCI-Express x16への接続が主流です。

PCI、AGP、PCI-Expressでは規格も形状も全く異なり互換性がありません。必ず対応したものが必要です。

AGPは古い規格で、現在はほとんど生産されていません。欲しい製品を見つけたら、在庫があるうちに購入することをお勧めします。PCI-Expressでは生産が長く続くので、安くなるのを待って購入することができます。

AGPとPCI-Express x16はグラフィックカード専用の規格です。PCによってはグラフィックボード専用の接続バススロットが存在しないことがあります。

PCI-Expressにはx16の他に、x4やx1があります。PCI-Express x1はPCIバスのようにビデオカードほどの速度を必要としない増設カードの接続に使われます。PCI-Express x4はビデオカードを2枚接続する場合にx16の代わりに使用します。また、PCI-Express x1の拡張カードも使用することができます。

省スペースPCの場合、接続可能な大きさが制限されている場合があります。ロープロファイルと記載されている場合はLowProfile対応の拡張カードしか物理的に接続することができません。LowProfileでは、通常よりも幅が狭いタイプになっており、ブラケットの長さも短くなっています。大きさの制限により、高性能ビデオカードのLowProfile対応は存在しません。

通常のATX対応のPCケースでも、マザーボードのレイアウトによって干渉してしまい、接続できない場合があります。また、高性能ビデオカードの中にはマザーボードからはみ出す長さのものもあります。広さに余裕のないPCケースの場合、ドライブベイなどと干渉してしまい取り付けできないことがあります

PCI-Expressには最大転送速度が2倍に増えたPCI-Express 2.0が登場しました。PCI-Express 1.1と互換性があり、PCI-Express 1.1(x16)のグラフィックボードをPCI-Express 2.0(x16)に接続して使うことができます。PCI-Express 2.0(x16)のグラフィックボードをPCI-Express 1.1(x16)で使用することもできます。これはあくまでも、ビデオカードの外(CPUなど)とやりとりするための性能に関係し、ビデオカード内部の性能にはほとんど関係しません。

VRAM容量

2Dでは、完成している画像からモニターで表示するための信号をVRAM上に作りました。VRAMの容量で表示できる解像度と色数が決まっています。16MBあれば2048x1536のフルカラー表示が可能です。現在は最低でも32MB以上が使われていますので、VRAM容量による表示制限は気にする必要はありません。

3Dでは、映像を処理しながら作り上げる必要があるので、映像の組み立てスペースはより多くのVRAMが必要になります。4:3モニターでは128MB以上、ワイドモニターでは256MB以上ないと処理の低下が起こりやすくなります。リアルタイムな描画が必要な高画質3Dゲームでは512MB以上必要になることがあります。

VRAMの代わりにメインメモリーを活用する場合もあります。その場合、メインメモリーの容量が少ないとビデオカード以外で使用するメモリ容量が足りなくなってしまうことがあります。

出力端子について

現在はグラフィックボードの出力はDVI-IまたはHDMIが主流です。

DVI-Iはデジタルとアナログに対応した接続で、ケーブルと入力端子によって変わります。デジタルで接続する場合は、DVIデジタル(DVI-D)ケーブルを用いて、モニターのDVI-IまたはDVI-Dに接続します。アナログの場合はDVI-I→D-Sub15ピンの変換ケーブルを用いてモニターのD-Sub15ピンに接続します。

DVIデジタルにはHDCP対応と非対応があります。

DVIデジタルにはデュアルリンクとシングルリンクがあります。ピンの数が異なり、シングルリンクではピン数が少なく出力できる信号が少なくなります。デュアルリンクで接続するには、ケーブルもデュアルリンク対応のものが必要です。

シングルリンクでは165MHzのドットクロックが可能で、WUXGA(1920x1200) 60Hzの表示まで対応できます。デュアルリンクではドットクロックが330MHzとなり、WQXGA(2560x1600) 60Hzの表示に対応します。現在のビデオカードではほぼデュアルリンク対応となっています。

HDMIでは、HDMI→DVIデジタル変換コネクタを使いモニターのDVI-IまたはDVI-Dに接続します。または、テレビのHDMIに接続できます。

HDMIはHDCP対応で、音声も一緒に出力されます。HDMIとDVI-Dは映像信号は同じものの、音声の扱いなどにより不具合が生じることがあります


この場合、青コネクタがアナログのD-Sub15ピン。昔のMIDI端子やゲームポートもD-sub15ピンのため、映像用はD-sub15ピン(ミニ)と記載されることがあります。
中央の白いのがDVI-I。右の黒いのがテレビ接続用の映像端子。

D-Sub15ピンのケーブルのコネクタ。

DVI-D デュアルリンクのケーブルのコネクタ。

HDCPについて

HDCPは不正コピーを防止するための機能です。デジタル放送や次世代DVD(ブルーレイなど)を高画質なデジタルで入出力するのに必要です。

パソコンでは、ビデオカードとディスプレイの双方が対応している必要があります。

ビデオカードには同じ種類でもHDCP対応と非対応が混在していることがあるので選ぶときは注意してください。ブルーレイ(BD)やHD DVDなど著作権保護された映像の鑑賞以外ではHDCPに対応していなくても構いません。

画質について

画質はアナログとデジタルで大きく異なります。必ずデジタルで接続するようにしましょう。(一部、アナログ専用のモニターが今でも販売されています。)

デジタルであれば、ビデオカードによる違いはほとんどありません。デジタルの場合、画質はモニターがどこまでしっかり表示できるかに係っています。

映像が途切れる場合、3Dゲームの場合はビデオカードの性能不足、メインメモリの容量不足、CPUの性能不足等が考えられます。

動画再生の場合は、CPUの性能不足が考えられます。最新のビデオカードには優秀な動画再生支援機能が含まれており、それらに対応した動画再生ソフトを使用して設定を行うことで、CPUの負担を減らして途切れない視聴が可能になります。

モニターは、PCではテレビと違って静止映像の画質と見やすさが重要です。モニターの応答速度が速ければ、動きの速いサッカーやレースなどがスッキリと見やすいですが、応答速度を無理に高めれば通常の画質に悪影響も起こるため、動画鑑賞ではHDMIやNASプレーヤー(PCとLAN接続して動画を再生できる)を使い、テレビに接続するのも一つの方法です。

次は:ビデオカードの性能比較とおすすめ

RSS1.0

RSS2.0

Atom0.3

PC情報